祖父はお花が大好きな人でした。
もともとはとっても働き者で真面目な人なのですが、病弱な体で無理をして働いたため46歳の時に倒れてしまい、人並みに仕事をすることが困難になってしまいました。
生涯喘息持ちでした。
体調がいい時だけ仕事をしていたようです。
そしてお花畑。
園芸が好きでした。
幼い私に花の名前を教えてくれました。土質を良くする腐葉土のことやスコップで鉢に移すときは「根を痛めないように気をつけるんだよ。」と教えてくれました。
祖父はダリアが好きだったように思います。
室内で育てる鉢植えも持っていました。
幼かった私は「花壇が欲しい。あの花が欲しい。薔薇が欲しい。」だのと我儘をいっては祖父が教えてくれたこと…。
「あのね、朝早くに水遣りをして、夕方になったらまた水遣りをするんだよ。」
水遣りのお約束を守らなかったので、祖父が植えてくれたお花たちをどんどん枯らしてしまいました。
遊びに行くと「おじいちゃんが可愛いお花を植えてあげてもなこちゃんが皆んな枯らしてしまう。」と言われたものでした。
園芸上手な祖父がどうしても育てられなかったのは薔薇🌹
今、薔薇栽培をしている私は容易に想像出来ます。薔薇に病気と虫害はつきものです。
だから農薬を使います。
祖父もそのことを知ってたのかもしれませんが、体のことを考えて農薬を使わなかったのかも知れません。
祖父が亡くなった後、一度は祖父が作ったお花畑を取り壊したのです。
歩きやすくするためにコンクリートの足台を並べたりしました。
でも土が残っている部分を、私がまたお花畑にしました。
土を掘ると石やらコンクリートの残骸やらゴツゴツが沢山出てきて、取り除いてもキリがないそれをひとつひとつ手で取り除きました。
そして薔薇を植えました。
薔薇栽培の専門家の先生の本を読みながら、チャレンジしました。
ホームセンターから腐葉土や堆肥、農薬、剪定鋏、園芸用手袋など、園芸用品を沢山買いました。
11月に注文していた薔薇苗がまた届く予定です。
「薔薇は好きだけれど、こんなにたくさんそだてられるのかしら?」
少し心配もあります。
祖父のことをよく思い出すのです。
まず、両親の方が先にあちらの世界に行くでしょう。そして私がこの世の命を終えて祖父に会えたなら、お花の話を沢山したいのです。
「私ね、おじいちゃんがなかなか育てられなかった薔薇を育てたんだよ。こんな色のとか、こんな香りがするのとか、綺麗な薔薇沢山育てたの。専門家の先生の本を読んで勉強しながら育てたの。」
天国での楽しい語らいは薔薇色に、良い香りでいっぱいになることでしょう。
薔薇以外のお花のお話もしたいです。
大好きだったおじいちゃん。
大好きだったおじいちゃん。
薔薇にダリア、チューリップにグラジオラス。
沢山お花のお話しようね。
命日には、なるべくお墓参りに行くことにしています。
お花屋さんには「故人が色とりどりのお花が好きな人だったので菊の他にも色んなお花を入れて欲しいです。」そう言って、このカーネーションもあった方がいいな、このお花もあった方がいいな、とお花屋さんと一緒に??花束を作るんです。
おじいちゃん、天国から私の薔薇園を見ていてくれたら嬉しいな。