また、あの夢を見てしまった…。
たかが登校拒否…。中学校にも高校にも行かなかった…。
同級生では私だけ…。
他にそんなふうになった子はいなかった…。
仲良くしてくれた同級生は皆んな、お嫁に行ってお母さんになっている…。
私は、こんな経歴だし、皆んながそうはならなかったのに、わたしだけがなってしまった…。
若い時から結婚に対して希望や夢が持てなくなってしまった…。
あゝいずみちゃんという同級生がよく夢に出てくるの…。
いずみちゃんは私のことなんて、とっくに忘れているのにね…。
いずみちゃんは分け隔てなく、ニコニコと明るく接してくれた。
一回だけ中学校の教室に登校して、体育館で体育の授業を受けた時もそういうふうに接してくれた…。
小学校4年生の時に同じクラブ活動で、掃除当番も一緒だった。
同じクラブ活動にようこちゃんという転校生がいて、ようこちゃんのお誕生日会にも行ったね。いずみちゃんも来ていたね。
もう遠く過ぎた日々…。
とても楽しかった…。
いずみちゃんの夢を、たまに見るんです。
会いたい、会いたい…。
でも今更ね…。
私は結婚をしていない。結婚をしたとしてももう子供を産むことはできない。
婦人科のお医者さんにそう言われました…。
ご主人、子供…。
幸せそうだな…。
でもね、隣の芝生は青く見えるんだよね。
結婚をしたとしても夫婦が不仲な人もいれば、離婚する人たちも沢山いる。
皆んなが皆んな幸せな結婚をしているわけでもない…。
でもね、でもね、とっても孤独な境遇にあって、私みたいに「自分は結婚をしたとしても幸せになれない。」そう思ってしまうことが仕方のないような人が結婚した…。
そんな話を聞くと嫉妬もあるのか淋しくなるのです。
私も皆んなで楽しく笑っていたかった。
幸せになりたかった…。
結局は上を見ればキリがない。
下を見てもキリがないんだよね。
主人も子供もいないけれど、今私を思ってくれて支えてくれる人たちを大切にするしかないね。
でもね、でもね、いずみちゃんの夢を見て目覚めた時はいつも決まって淋しくなるんです。
会いたい…。遊びたい…。
それも仕方がないことだね…。
淋しい…。淋しい…。